ビエトリ・スル・マーレのチェラミカ・ソリメーネ工場の全景。波打つ円筒の外壁が陶器で覆われている

陶器の街ビエトリ・スル・マーレ|アマルフィ海岸の入口で、陶器のある暮らしに出会った1日🇮🇹

📅 公開: 2026年08月16日 🔄 更新: 2026年08月16日 ✍️ ノットアンドマイル

※PRを含みます

イタリア南部、アマルフィ海岸の入口にビエトリ・スル・マーレという小さな街があります。

アマルフィやポジターノほど名前は知られていませんが、ここは陶器の街です。サレルノからバスで15分ほど。街中に、陶器の店がずらりと並んでいます。

ビエトリ・スル・マーレの街並み。陶器タイルのドームを持つ教会と山、青空
山と海のあいだの斜面に街がある。ドームも陶器タイルでできています

街そのものが、陶器でできている

着いてまず驚いたのは、陶器が「売り物」として置かれているだけではないことでした。

教会のドームは陶器のタイル。階段の蹴込みにも、家の表札にも、街灯の根元にも、当たり前のように焼き物が使われています。

外壁に無数の陶器が埋め込まれたチェラミカ・ソリメーネの工場建築
外壁いっぱいに陶器が埋め込まれた建物。ここは陶器工場です

この円筒が連なった建物はチェラミカ・ソリメーネの工場です。1954年に建てられたもので、外壁には1万6千個を超える陶器が埋め込まれているそうです。工場そのものが、この街の作品になっています。

店をのぞいて歩くのが、とにかく楽しい

坂道を上ったり下りたりしながら、店を順に見ていきました。

壁に絵皿、足元に壺。店の外まで陶器があふれています

どの店も、店先から陶器があふれています。皿、壺、タイル、時計。レモン、魚、ロバ。絵柄はどれも手描きなので、同じ柄でも一枚ずつ表情が違います。

同じ柄でも一枚ずつ違う。手描きだからこその楽しさ
ビエトリの陶器店の店内。天井から吊るされたオーナメント、壁一面の絵皿、床に並ぶ大皿
一歩入ると、天井から床まで陶器。どこを見ればいいのか分からなくなります

値段も、驚くほど高いわけではありません。小皿なら数ユーロから。だからこそ、どれにするかで延々と迷うことになります。

ビエトリ・スル・マーレの陶器店に並ぶ器
迷いはじめると、なかなか店から出られません
陶器店の棚。魚やニワトリ、月の顔、レモン柄の壺など多彩なモチーフが並ぶ
魚、月の顔、レモン。モチーフの引き出しが多い

お店の人に、昼食の店を教えてもらった

陶器を買ったお店で、会計をしながら「このあたりでお昼を食べるなら、どこがいいですか」と頑張って聞いてみました。

すると店の人が、身振りを交えて教えてくれました。言葉はほとんど通じていません。それでも、なんとなく方向は分かるかな?と思っていたらなんと、陶器のお店のお向かいさん。なるほど、でも、大丈夫かな?と思いつつお店に入ってみることに。

気づいたこと。ここでは本物の陶器が「使われている」

席について、運ばれてきた皿を見て、はっとしました。

料理が、この街の陶器で出てくるのです。

水色の陶器皿に盛られたあさりのパスタ(パッケリ)
あさりのパスタ。パッケリという筒状のパスタでした
こちらはムール貝のスパゲティー

水色の皿にあさりのパスタ。よく考えれば当たり前のことなのですが、店で商品として並んでいるのを見るのと、料理が載っているのを見るのとでは、印象がまるで違いました。味も見事でした。独特のパスタの形にも驚きましたが、それ以上に貝の旨味がぎっしり詰まっていて、イタリアのシーフードパスタはやはり違うと思わされます。

食後のエスプレッソも、当然のように手描きのカップでした。

手描きの陶器のカップで出てきたエスプレッソ
エスプレッソのカップも、もちろんビエトリメイド
帆船が描かれた手描きのソーサー。Benvenuti a bordoの文字
ソーサーには帆船と「Benvenuti a bordo(ようこそ船へ)」の文字

ソーサーに描かれていたのは帆船と、「Benvenuti a bordo」——ようこそ船へ、という言葉でした。海の街らしい一枚です。

ここが、この街のいちばん面白いところだと思います。買う前に、使っている状態を見られる。棚に並んだ皿を見て「きれいだな」と思うのと、その皿でごはんを食べるのとでは、伝わってくるものが違います。

ビーチもある

お腹がいっぱいになったので、海まで下りてみることにしました。

ビエトリ・スル・マーレの海へ下りていく道
海へ向かう道。坂を下りていきます

街は斜面にあるので、海までは下り坂です。

ビエトリ・スル・マーレのビーチ。岩礁とパラソルが並ぶ入り江
岩礁とパラソル。夏のアマルフィ海岸らしい風景でした

入り江に岩が突き出していて、その手前にパラソルが並んでいました。陶器を見に来たつもりが、しっかり海まで楽しめるのがこの街の得なところです。

高台から見たビエトリ・スル・マーレの街と海
ビーチに下る道からの眺め。街と海が一度に見えます

ひと泳ぎするなら水着が要りますが、私たちは眺めて、写真を撮って、また坂を上りました。上りがまた大変です。

坂を上りきったら、カフェで一休み

汗だくで坂を上りきったところに、ちょうどいいカフェがありました。

ビエトリ・スル・マーレのカフェ「BAR MIRAMARE」の外観。看板は陶器のタイル
BAR MIRAMARE。看板もやっぱり陶器のタイルでした

店名の看板が陶器のタイルなのが、いかにもこの街です。日よけの下にテーブルが出ていて、地元の人も観光客も混ざって座っています。

頼んだのはレモンのグラニータ。夏の南イタリアならではの一品

レモンのグラニータ。凍らせたレモンのシャーベット状の飲み物
レモンのグラニータ。シャリシャリの氷とレモンの酸味

グラニータは、凍らせて細かく削った氷菓です。アマルフィ海岸はレモンの産地なので、レモンのグラニータは南イタリアの定番。酸味と甘さと冷たさが、坂を上ってきた体にちょうどよく染みます。

こちらは、レモンのジェラートとエスプレッソ

レモンのジェラートとエスプレッソ
レモンのジェラートとエスプレッソ。この組み合わせはまちがいなしです

冷たいジェラートと熱いエスプレッソ。これが本当によく合います。甘いものと苦いものを一緒に頼むのは、イタリアで覚えたやり方です。

ここで休んでから、バスでサレルノへ帰りました。

持ち帰った陶器

結局、けっこうな量を買いました。

ロバが描かれた黄色い包装紙にくるまれた陶器
ロバの絵の包装紙。ロバもビエトリ陶器の定番モチーフです

店の人が、新聞紙と包装紙で何重にもくるんでくれました。黄色い紙にロバの絵。ロバはこの街の陶器によく描かれるモチーフで、包装紙にまで登場します。

なぜ、ロバなのか

この街は、海から丘の上に向かって斜面に広がっています。道は細く、急です。車が入れない道を荷物を担いで上がれるのは、ロバでした。

陶器をつくるための陶土も、日々の食料も、ロバが背に載せて運び上げました。この街の焼き物は、ロバがいなければ成り立たなかったわけです。

だからロバは、この街にとってただの家畜ではなく、暮らしをともにする仲間でした。器に描かれ、包装紙にまで刷られているのは、そういう理由なのだと思います。

そう聞いてから包みを見ると、ただの絵に見えなくなります。

ロバの絵の包装紙にくるまれた陶器の包み
包みが増えていく。割れないように厚く巻いてくれました
買った陶器の包み。ロバの絵の包装紙と緑の模様の紙
ロバの包装紙と緑の模様の紙。ここまで巻いてもらえば安心です

割れ物なので、すべて手荷物で持ち帰りました。預けてしまうと何が起きるか分かりません。重くはなりますが、機内に持ち込めば自分の目の届くところに置いておけます。

ちなみに機内に持ち込むなら、スーツケースの総外寸が3辺の合計115cm以内に収まっているかが効いてきます。名前が「Carry-On」でも超えているモデルがあるので、選び方はスーツケースを買うならゼロハリバートン一択に、重さの話はスーツケースの「重さ」を甘く見ていたにまとめています。

そして家で包みを解く時間が、また良いのです。

レモンとぶどうが手描きされたビエトリ陶器のマグカップ
レモンとぶどうのマグ。旅から帰っても毎日使えます

レモンとぶどうが描かれたマグ。あの坂道で迷いに迷って選んだものが、いま台所にあります。旅の記憶が、日常の道具として残る。陶器の街で買い物をする良さは、たぶんここにあります。

まとめ|アマルフィ海岸に行くなら、寄る価値があります

  • サレルノからバスで15分ほど。アマルフィ海岸の入口にある
  • 街全体が陶器。教会のドームも、工場の外壁も焼き物でできている
  • 店先から陶器があふれていて、のぞいて歩くだけで楽しい
  • カフェもレストランもその街の陶器で出てくる。使っている状態を見てから買える
  • ビーチもあるので、買い物と海の両方が楽しめる
  • 器に描かれたロバは、急な坂道で暮らしを支えてきた立役者
  • 坂を上ったあとのレモンのグラニータが効く。南イタリアの定番
  • 割れ物は手荷物で持ち帰るのが安心

アマルフィやポジターノに向かう人が、素通りしてしまいがちな街です。でも1日あれば十分に楽しめますし、ここでしか買えないものがあります。サレルノを拠点にするなら、ぜひ足を延ばしてみてください。

✈️ 個人で行くのは、正直ハードルがあります。ツアーで行きたい方は、JTB旅物語でイタリア方面のツアーを探すという選択肢もあります。

📍 ビエトリ・スル・マーレの場所

旅のデータ

  • 場所:ビエトリ・スル・マーレ(Vietri sul Mare/イタリア・カンパニア州サレルノ県)
  • 行き方:サレルノからバスで約15分
  • 滞在時間:1日(午前に街歩きと陶器店、昼食、午後にビーチとカフェ)
  • 買ったもの:マグ、皿、小物など。すべて手荷物で持ち帰り、割れずに帰国

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