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スリランカのダンブッラに、ヘリタンス・カンダラマというホテルがあります。建築家ジェフリー・バワの設計で1994年に開業した、ジャングルに飲み込まれたようなホテルです。
このホテル、泊まるだけで十分すごいのですが、ひとつだけ知っておくと満足度がまるで変わることがあります。
それは──とにかく外を見ること。
廊下を歩いているとき、階段を上っているとき、部屋でくつろいでいるとき、プールで泳いでいるとき。どんな場所でも、ふと外に目を向けてみてください。同じ場所なのに、時間帯によって表情がまったく違います。
この記事はチェックインから夜まで。翌朝の話は後編に分けました(早朝がいちばんすごいので)。
なぜ、同じ場所が時間で変わるのか
理由ははっきりしています。このホテルには「外と内」の区切りがほとんどないからです。
廊下には壁がなく、ラウンジは開放的で、客室からもジャングルや湖が正面に広がります。建物のどこにいても、外の光がそのまま入ってきます。だから太陽の高さが変わるだけで、館内の見え方まで変わってしまう。そしてバワは昼間に人工の光を使わない設計をした——これは翌朝に参加したバワ建築ツアーで、ガイドさんから聞いた話です。だとすると、昼に電気がついている空間は、バワの後の改装なのかもしれません。なお、このバワ建築ツアーに参加した話は、別の記事で詳しく紹介する予定です。
バワは建物を風景に「かぶせる」のではなく、風景の一部として建てたと言われます。実際に泊まってみると、その意味が体感として分かります。
16:16 ─ チェックイン。ウェルカムドリンクは、至福の時間

到着するとウェルカムドリンクが出ます。数種類のフルーツジュースから好みの一品を選んで、リラックスした時間を楽しんでください。どれも美味しそうなので選ぶの迷っちゃいますよ〜

ソファーに座って、グラスを持ったまま正面を見る。それだけで、このホテルが何を狙って建てられたのかが分かります。柱や窓が額縁のようになっていて、カンダラマ湖や森が絵のように収まっています。素敵です!

チェックインの手続きもホスピタリティー溢れる対応で、私はしばらくここに座ってのんびりしていました。

16:35 ─ 廊下が、外を歩いているみたい

部屋に向かう廊下で、いきなり驚かされます。岩肌がむき出しのまま建物の中に入り込んでいる。避けて建てるのではなく、そのまま取り込んでいます。廊下に大きな岩があることも・・・

しかも廊下の片側には壁がありません。移動しているだけなのに、ずっと森の中にいる感覚が続きます。
ここが最初のポイントです。「部屋に着いてから景色を見よう」と思っていると、この廊下を早足で通り過ぎてしまいます。もったいない。
ちなみに廊下の岩肌には、植物がそのまま生えていたりもします。清掃で取り除くのではなく、生やしたままにしてある。ホテルの外壁も一面が緑に覆われていて、遠くから見ると建物だと気づきません。ここまで育つのに時間がかかったそうです。
18:00 ─ 夕方。光が柔らかくなる時間
夕方になると、光の表情が変わってきます。階段を降りているだけなのに、昼間とはまるで違う表情になります。カンダラマではエレベーターだけでなく、階段を使うこともおすすめです。夕日と森と湖、そして空を舞う鳥たち・・・1枚の絵画のよう!バワの演出はとても素敵です!

そしてインフィニティプールへ。18時前後、水面が空の色を映しはじめます。
プールの縁と湖の水面がつながって見えて、どこまでがプールなのか分からなくなります。

この「水面がつながって見える」効果は、プールの縁の高さと湖の見え方が計算されているから起きます。少し離れた場所から見ると、より境目が消えます。
7月末のこのあたりは、日没が18時半ごろでした。17時半にはプールにいるのがおすすめです。


18:55 ─ 日が沈んだ直後。この10分が本気

日が沈んだ直後の10分ほど、空と湖がそろって深い青に沈みます。まだ真っ暗ではなく、かといって夕方でもない。写真より実物のほうがず〜っっと美しい。
夕食の予約を19時にしていると、この時間を逃します。
19:05 ─ 夜のプールは、昼と別の場所

暗くなるとプールに灯りが入ります。すこしだけ前に泳いでいた場所とは思えません。

周りのジャングルが闇に沈むぶん、水面の明るさだけが際立ちます。
※プールと更衣室の通路は足元が暗いのでスマホのライトを持っておくと安心。
19:52 ─ 夜の廊下を歩く・・・

夜、あの廊下をもう一度歩いてみてください。昼に岩肌を見せていた同じ場所が、灯りとのコラボを演出して、浮かび上がるような演出になります。



虫の声も、昼間は気づかなかった音が聞こえてきます。
20:48 ─ 夕食ビュッフェは「見て」から食べる

夕食はビュッフェでした。このビュッフェスタイルの食事でも感じるのが、食の演出も作品。いきなり皿を持って並ばず、まず一周して全部見るのがおすすめです。
※夕食はビュッフェ以外にも選べるので、連泊して食を味わうのもありです。次回は必ず連泊しよう>o<


スリランカ料理も西洋料理もあり、カレーだけでも数種類。ライブキッチンでその場で調理してくれるコーナーもありました。一周りしてから「今日はスリランカ料理でいこう」と決めたほうが、満足度が高くなります。


22:11 ─ 部屋に戻らず、ラウンジで過ごす
食べ終わったら部屋に直帰したくなりますが、ここを我慢すると満足度が跳ね上がります。
カンダラマはラウンジがとにかく気持ちいい。夜風が抜ける場所、森の音が聞こえる場所、リラックスできる場所などなど、ぜひ自分のお気に入りの場所を探してみてください。私たちはここで22時過ぎまでだらだらしていました。

ホテルにいる時間そのものが観光になる、という感覚は、なかなか味わえません。
時間帯ごとの「見どころ」早見表
この日の記録をもとに、時間帯と見どころを整理しました。
- 16:00〜17:00|チェックイン。ロビーの額縁のような眺めと、岩肌の廊下
- 17:30〜18:30|黄昏どきの夕日。階段からの景色がmy No.1!
- 18:30〜19:00|日没直後のブルーアワー。
- 19:00〜20:30|夜のプールのライトアップ。夜の廊下。
- 20:30〜22:00|夕食ビュッフェ
- 22:00〜|ラウンジでまったりな時間
もし1泊しかできないなら
チェックインをできるだけ早い時間にするのが正解。私たちは16時過ぎに入りましたが、それでもぎりぎりでした。観光を午前に終わらせて、午後はホテルにいる。それだけで体験の密度がまったく違います。
逆に、夕方に着いて翌朝すぐ出発するスケジュールだと、このホテルの良さは半分も味わえないと思います。
🏨 カンダラマに泊まるツアーもあります
ちなみにカンダラマは、個人手配だけでなくツアーに組み込まれていることもあります。
私たちは個人手配で行きましたが、調べてみるとバワが手がけた複数のホテルを泊まり歩くという、建築好きにはたまらない内容のツアーもありました。カンダラマもその宿泊先のひとつに入っています。日本語ガイドと送迎付きなので、移動が不安な方には現実的な選択肢だと思います。
まとめ|序章でお伝えしたいこと
- とにかく外を見る。廊下でも階段でもプールでも
- ウェルカムドリンクはリラックスして楽しむ
- 廊下を早足で通り過ぎない
- 階段を使う
- 日没前後の時間を空けておく(夕食を早い時間にしない)
- 夜、同じ廊下をもう一度歩く
- ビュッフェは一周してから皿を取る
- 夕食後、すぐ部屋に戻らない
そして──本番は翌朝です。
早朝のカンダラマは、ここまでの話が前振りに思えるくらい違う顔を見せます。後編でお伝えします。
旅のデータ
- 訪問:2025年7月
- ホテル:ヘリタンス・カンダラマ(Heritance Kandalama/スリランカ・ダンブッラ)
- 設計:ジェフリー・バワ、1994年開業
- 立地:カンダラマ湖に面した森の中。世界遺産シギリヤロックが望める
- この日の流れ:16:16チェックイン → 18:00夕方のプール → 18:55日没直後 → 20:48夕食 → 22:11ラウンジ
- ※2025年7月時点の体験です。設備やサービスの内容は変わる可能性があります